一章:男との出会い
第1話
あからさまな身体障害者と出会ったとき、健康な私たちはどうする? 好奇な目を向ける? 相手を気遣い、またバツの悪さを避けるため、なるべく見ないよう思わず目を伏せる?
冴子はそのどちらでもなかった。ただ目を見張り、男に見とれていた。日に焼けた肌、男は白い歯を浮かせ、にっこり微笑んで「お釣りです」と、車の窓から冴子の手に一枚の領収書とお釣りを手渡した。にじむ汗。
男は重度の障害を抱えていた。体の自由がきかず、歩くのもままならない。足をひこずり、自由のきかぬからだを跳ね飛ばすかのよう必死に歩く。
ガソリンスタンド――
二人の出会いはここから始まった。
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