8.ただいま休戦のとき

第8話

そうして、

ハリーもジョンも

座を同じくした。

「悠久の時だな」

ジョン。

「いつまで続くのだろう」

ハリー。


「ふふふ」

笑顔のアリス。


「敵兵も、すっかり

花火のご堪能だな。

こんなことってあるんだ。」


花火師は

味方の軍に守られ、

こつこつと花火を打ち上げている。


この盛大さは

この美しさは

歴史に残るほどの

素晴らしさだった。


花火を満喫していた

ハリーが

おもむろに声を上げる。

「あれ、あれは地味な色の花火だな。

今まで見たことないくらい」


「ああ、あれは、多分、

銃の火薬で作ったんじゃないかな?」

「すごい風刺力」

ジョンの言葉に感嘆するハリー。


「次のは多分、

ミサイル製の花火」

ジョンが誇らしげに笑う。


「素敵だぁ!」

思わず両手を上げ

ケガした足をかばいもせず

立ち上がりそうになる

ハリー。


そうして

「素敵、素敵、素敵」

アリスが

両腕を上げた

ハリーの胴体に抱き着く。

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