第37話

そこまでフラッシュが言い切ると、ミーナが笑って否定する。




「敏腕カメラマンとしてでしょ!」




ミーナがフラッシュの手を握り返す。




「フラッシュさんが死んだと思ってたあの頃、木崎って人が二人のアパートに訪れて、で、私その時フラッシュさんからメールで送られてきてた写真をUSBに落として渡したの。ぜーんぶ!」




ちょっと驚いた顔のフラッシュにミーナが言葉を続ける。ミーナはフラッシュの手を振りほどき子供と二人、道のまんなかで笑う。




「フラッシュさんの写真、三年前だけどマスメディアに飛び回っていたよ。新聞、テレビ、インターネット。どんだけ飛び回ったか分からないくらい。賞だって受賞したんだよ! 一枚だけだけど、あのアフガニスタンの子供たちの写真、大賞を受賞したの!」




「…そ、だろ?」




「ほーんと、ぜーんぶホント! フラッシュさんはカミサマみたいな事をしたんだから!」




信じられないといった様相のフラッシュの背中をミーナが押す。




「挨拶はいいから、まずは新聞社に行っておいで。フラッシュさんが生きてることを知ったらみんな喜ぶから。お父さんへの挨拶はその後でね」




更に後押し、新聞社へと向かうフラッシュに向かい叫ぶミーナ。




「がんばれフラッシュ! 大好きだよ! 二人とも生きてて良かったね」

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