第36話

どうして生きて帰れたのかとミーナが問う。




するとテロリストでない人々が、死骸として横たわっていたフラッシュに息があることを悟り、隠れがに連れ込み、看病してくれたのだと言う。原始的な治療しか受けれなかったため、銃痕がいくつも残っている。




戦地での回想――




一人のアフガニスタン人が言う。横になり看病を受けているフラッシュ。




「ボクハニホン人が好きだ。ニホン人はイイ人ガオオイ。ブッシヲ支援シテクレタリ。学校ヲタテテクレタリ。ソウシテボランティアニキテクレル」




うなづく他のアフガニスタン人。




「ココニイルミンナ、同ジキモチ」




その言葉にぶわっと涙が溢れ出し、思わず男泣きするフラッシュ。




「…眠ルトイイヨ。ネムッテ、ケガヲ治ストイイ…。ユックリトオヤスミ…」




彼らの言葉に泣きながら、再び気絶するように眠り落ちるフラッシュ。




やがて現地の人の手伝いもできるまでに回復したフラッシュ。野良仕事をしたり、家の補修をしたり。




しかしパソコンとカメラを破壊され、通信手段を失い。ビザも奪われ、帰国したくてもできず、七転八倒していた日々を思い出す。違法入国、現地のアフガニスタン人がみんなで知恵を絞りようやくこぎつけた帰国だった。




フラッシュは手を伸ばしミーナと手を繋ごうとする。




「ミーナ、お義父さんに挨拶に行こう。放置した三年間と同棲時代の責任取るよ。その子と二人、まとめて俺に面倒みさせてくれ。地に足付けてリーマンとしてだけど」

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