第14話
「ただいま」
玄関先にともる灯。ドアを開けると部屋の奥までこうこうと明かりで照らされる部屋のあかり。ミーナの姿が影となり逆光のように照らしだされる。
「おそーい!」
玄関先にすねた顔で、駆け寄ってくるミーナをフラッシュは抱きしめる。そうして、驚くミーナをそっちのけで、キスをおっぱじめる。最初は軽いキスだったのが、ミーナが迎え撃ち、次第にエスカレートし、みるみるハードなものに変ってくる。舌と唇をむさぼりながら、フラッシュは思う。
(ほーら、やっぱり俺はミーナを深く愛している、だから、何度キスしても飽きない)
*****
「やだよ、危ないじゃん、絶対だめですー!」
フラッシュの危惧どおり、案の定反対してきたミーナ。
「ミーナ、よく聞け、これは、アフガニスタンに俺が行くことは。お前と俺が愛し合ったまま、夢をかなえる唯一の方法なんだ」
「やだよ! 死んだら絶対泣く! てか、死にに行くようなもんじゃん!」
「貧乏でもいいよ!」
「1枚採用されたら、300万だぞ!」
「そりゃーすごいかもしれないけど、命の方が大事です」
「お前すっかり変わったな。自殺サイトで一緒に練炭自殺しようとした仲とは大違いだ!」
フラッシュは憮然とした顔で言う。
「イッタイ今の俺の写真がいくらで売れてると思うんだ。一仕事1万~3万円だぞ。上手くまわりゃあ月30万になるかもしれないけど、けど毎月、しょっちゅう貯金を崩している状態だ、お前と俺が結婚した時、どうなる」
フラッシュの言葉に驚き顔のミーナ。だけどすぐに喜び。
「それって、さりげなくプロポーズ、きゃ!」
「ちがーう、俺のプロポーズはもっとロマンチックなもんだ。ミーナよく聞け、この1回の戦場で結果が出せれば、俺はプロのカメラマンになれるかもしれない。安定した収入を得られるようになるか、1枚1枚が高額になる。それだけは確かなんだ」
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