第9話
「ま、消せばいいけどさ」
とつぶやいた矢先、ミーナが腕組んでくる。
「2ショット写真とろー!」
ミーナから腕ぐまれたことはともかくとして、フラッシュがいやそうな顔をする。
「えー、俺いいよ。2ショット写真なんて、アート性低いもん撮りたかねーって!」
今度はミーナの番だ。
「いいからとるの!」
フラッシュの腕を持ち頃のいい場所までカメラを移動して、ぽちっとボタンを押す。
パシャ!
「プリントアウトしたら、お互い一枚ずつ持とうね!」
ミーナの満足げな笑顔。
ずっとコンビ二弁当だった日々を思う。今はちょいヘタながらも愛しい彼女の手作り料理を食べている。帰宅した時に灯っている明かりだとか。テレビ番組で一緒に笑いあうことが出来る相手がいるだとか。男友達とはまたどこか違う、くすぐったさ。久しく味わっていない、今が、とてつもなき幸せのように思える。
幸せすぎて怖いくらい。この幸福はいつまで続くのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます