二章:フラッシュ
第6話
フラッシュは27歳。駆け出しのフリーのカメラマンだ。
なぜ死にたいとフラッシュが思ったのか、自分でもよく分からない。ミーナの自殺未遂の原因を思うと、てんでお子ちゃまだったなとも思う。今ではすっかりミーナのとりことは言わないが、きっと末恐ろしい女に育つだろうなとも思う。
ミーナとの会話を思い出す。ピロートーク。フラッシュが激しいいじめを気遣うと、ミーナ顔を伏せ気味になり。
「あたしって弱っちいなぁ…でも、カメラマンと同棲なんて、ちょっとカッコイイから、見返せるかも!」
と言って笑う。
「自慢になんかならないよ。カメラマンもピンからキリだから」
だけどフラッシュは思う、あの日ミーナを拾って、人生は一転した。いや、自分がミーナに救われたのかも? と思った。あの日のキスを未だに思い出す。
「フラッシュさんは、ピン?」
「キリでしょ! ピンキリの意味分かってる?」
「ううん」
「んーとなー、ピンが上で、キリが下って。なんで俺、こんな話してんだろ?」
と首をかしげながらも、話を続けるフラッシュ。
「まーようするに、俺は…カメラマンの中でも下っ端ってことかなぁ…フリーだし、でも食えないカメラマンって多いし、まぁ、最初はみんな似たようなもんだけど」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます