一章:フラッシュとミーナ

第1話

「…お前可愛いな……」




ハンドルネーム『フラッシュ』27歳・性別男。




「フラッシュさんも、思いの他カッコイイ」




「思いの他ね…」




苦笑いするフラッシュ。




「うそうそ、かっこいいよ」




きゃらきゃら笑う少女。ハンドルネーム『ミーナ』15歳・性別女。




ミーナはかなりの美少女だ。肌が白く、瞳も大きく、ひと目で美しいという風体をしている。




数日前、とある自殺サイトで4人のハンドルネームが確定し、練炭、レンタカーを準備して、集合時間に待ち合わせた。だけど結局ダレ一人として来なかった。いや正確には二人来ていた。フラッシュとミーナだ。




その後、待てど暮らせど人っ子ひとり現われない。ここは人けをしのんだ、だけど駅近くの集合場所。




4人が集まればそのままレンタカーで山奥までのぼり、そうして程よい場所を探し、練炭自殺をしようとしていたのだ。




二人立ちんぼしているフラッシュとミーナ。




「他の連中はどうしたんだろ?」




本題に戻り二人。




「おじげついたか?」




「いたずらだったのかも?」




とミーナ。




「どうする?」フラッシュ。




「どうするって…」ミーナ。




「俺は逝くけど、二人だけで決行する?」




フラッシュの言葉にしばし考え込んだ様子を見せたが、ミーナ。




「うん…私もこの世に未練なんてないし、てか、今すぐにでも死にたいよ」




二人はうなづきあい、自殺用にと車体の隙間をテーピングをしていく。




全てが自殺モードに仕上がり、じゃあ死ぬかとフラッシュが車に入り込もうとすると。やっぱりちょっと待って!」

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