マウンド

第3話

グラウンドにある小さな山

そこに1人そびえ立つ


目つき鋭く打者に向かって

放つ自信あるストレート


バシンといってミットにおさまる

ストラックアウト!!

審判の声が僕の耳に響く


そこは、孤独の場所

流しあった涙

ぶつかり合ったあの日

泥だらけになった日

汗で染みたユニフォーム


『お前は1人じゃない』

バックから3年間戦いあった

仲間の声が聞こえる


『俺らに任せろ!!』

その声に頷き直球を投じる


そこにある小さな山

立てるものはただ1人


みんなの思いを背負って

渾身の一球を放つ


バシンといってミットにおさまる

僕の渾身のストレート

仲間の声が響き渡る


泣いている、僕の女房

2人で泣いたあの日

呼吸が合わず怒った日

俺を信頼してくれ

そう言って泣いていた女房


『エースはお前だ!』

告げられた日から色々あった

耳を澄ませば聞こえる


『俺らがついてる心配すんな』

自信もって打者に放つ


流した涙も

笑い合ったあの日も

ぶつかり合った日々も

不安と恐怖で潰れそうな日々も


いつも『仲間』がいた

自分を信じてくれる仲間がいた


ONE FOR ALL

ALL FOR ONE


みんなは1人のために

1人はみんなのために


聖地のあの場所に立つ

みんなの思いを胸に抱いて

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