第30話

side 亜弥美




『ひめ?ひめちゃん?怒ってる?』



『べつに、怒ってない。』



『そ、そっか。』



『あの、リーダーみたいな人。』



『リーダー?悠妃くん?』



『うん、似てた。すごく。』



『あ、玖賀だもんね。』



『うん。』




そう言った、妃愛は目を閉じて


泣きそうな表情をしている。



そんな、表情をさせてしまったのは私だ。




妃愛がまだ立ち直れていないのは


知っていたはずなのに、私は何を……。





『わかってて、ここに来たの。だから

亜弥美のせいじゃない。気にしないで。』




そういう、妃愛だけど今にも泣きそうだ。



こんな時、何て声をかけたらいいのかな。

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