第29話

『おれ、朝あったんだけど。』




『『『『『『は?』』』』』』




『理事長室、わからねえって泣きそうな

顔してたから案内しただけ。』



『へー、案内って珍しいね。』



『すげえ泣きそうな顔してたから。』



『実は優しい悠妃くんだもんね。ププッ』



『笑うな。』




謙吾が悠妃をからかう。いつもの光景だ。




『名前はー?』



女好きの浩輔が悠妃に聞く。




『ひめかって言ってた。』




『ひめかちゃんか、可愛い名前だね。』




妹に強い口調で説教してたひめかちゃん。




でも、どこか儚げで消えそうな感じの


優しそうな女の子。




なにか、あったのか?助けてあげる


ことはできないのか?なんて思う。

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