はじまり

小さい私

第1話

あれは、何歳の時だったのか。




『ひめか、おいで。』



わたしの大好きな人が私のことを呼ぶ。




『あっくん!!!!』



『大きくなったなあ。ひめの夢は?』



『あっくんのお嫁さん!!!』



『そうか、そうか。俺も頑張らなきゃな。』



『あっくん、約束だよ!!』



『おう、約束な。』




わたしが、まだ3歳か4歳のときだったか。



わたしの家は裕福な家庭でその中でたくさんのお手伝いさんに囲まれて生活をしていた。



おじいちゃん、おばあちゃん。

それから、ママのお姉さん。私。ママ。



たびたび、遊びにきてたのがあっくん。



わたしは、あっくんが兄だとは

知らなかった。



おばあちゃんとおじいちゃんが

あっくんが来ると

嬉しそうにしてたから

この家の人と仲良しの人としか知らなかった。




当時の私は何も知らなかった。



自分の出生も、母の出生も。

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