第15話

戸惑い―――不安、動揺…



いくつもの感情が入り交じった目で、碧空を見る。碧空の目に俺は、今どう映るんだろうか。



「おじさん、絶対動揺するなって思ってました。」



軽いノリで明るく陽気に…麻紀の名前を出した碧空。気をつかっているのか?



「麻紀さん、おじさんと優哉さんの話をする時はニコニコして。幸せそうに笑ってました。」



麻紀が……?ニコニコ、と?


どうして―――ニコニコ…と、

笑えたんだ…?あんなこと、があったのに―――麻紀は吹っ切れたのか?




「史兄とお姉ちゃんが優しくしてくれたの…。特に、史兄は、学校行かない、部屋からも出てこない…私をずっと心配してくれた。」って言ってました。



当時を思い出すように、碧空が言う。



麻紀のことが心配で。


目の前で利樹を殺されて、自身も被害にあって……麻紀が死んでしまうのでは無いのか、優哉と一緒で…出ていってしまうのでは無いのか…



そんな不安から麻紀が心配だった。

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