第11話


――― 病室を出る。



翔馬の言葉に、妃響も覚悟を決めて妃愛を支えていく約束を交わす。



本来なら、父親の俺が…親としての責任を果たして受け入れていくべきなんだろうが。


悠妃の母親代わりをしていたのは妃響だった。朝妃は父親代わりをしていた。



情けない父親と母親を持って

中学生の朝妃と妃響が子育てをしてくれていた。二人が居たから…ここまで、息子たちは成長してくれた。



朝妃と妃響無しでは、

生活は成り立たなかった。


まだ、子供の朝妃と妃響に

頼りきってしまっていた―――。



父親失格。




心を抉られる感覚―――。


落ち着かせるために…

病室から出て静かな場所を探す。



家族と向き合う…俺に、できるのか。



玖賀の過去を受け入れて…

娘を引き取って育てていくことができるのか。今更ながら迷いが生じる。

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