第56話

悠妃:「妃響兄に起こしてもらってそう。」


妃愛:「………………。」


悠妃:「あ、ビンゴ?そうだよね。」


妃愛:「朝は苦手なの。体調も関係あるからさ…私は。起こしてもらってる。」


悠妃:「そっか……時間帯によっても体調って変化するもんね。」




気温が低い朝は…体調が悪い。


最近は、病状が少し悪化しているのか

一日の中で、半分以上悪い時もある。



余命…宣告が現実を帯びてくる。



怖い……なあ。



悠妃:「触れないでおこうと思ってたけど、ごめんね。妃愛。」


妃愛:「なにが?なんのこと?」



触れないで……?



お父さん?お母さん?あっくん…?


何を言いたいんだろう?



もう、何を言われても、私は大丈夫。




悠妃:「生きて欲しい、妃愛に。」



妃愛:「えっ…………?」



悠妃:「妃愛と話してて感じた。本当に死を望んでいないだろ?」



妃愛:「……………。」



悠妃:「今まで辛い事ばかりで、今も辛いんだと思う。」



妃愛:「……………うん。」



悠妃:「辛い事を理由に、生きる事を諦めないでほしい。」

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