第44話

悠妃:「連れ戻されたいの?妃愛は。」


妃愛:「嫌だけど…今の状況危ないんだよ。私も…体調いいとは言えないし…私もしかしたら狙われてるかも…だし。悠妃くんに、責任負わせたくない。」


悠妃:「悠妃くんねえ…俺は別にいいよ。正直俺も戻りづらいって気持ちあるしさ。うん…」


妃愛:「わかるけど…危ないから。戻りなよ……巻き込む事できない。」


悠妃:「家族に巻き込むも巻き込まないも、関係ないよ。」




ねえ、悠妃くん。


何を言っているの?



私は


他人でしょう?



何を言っているの?




悠妃:「俺さ、っていうか…俺もか。」


妃愛:「なに?」


悠妃:「なんとなくで妃愛に言われる前から勘づいていたの。親父と妃響兄の接し方が…過保護というか。何か怖がってる…感じがあってさ。」



私が言う前から…


悠妃くんは勘づいていたの…?




悠妃:「妃響兄が俺に対して厳しいのも、裏事情何があるんだろうって…調べてたんだよ。」


妃愛:「うん…」


悠妃:「だから、親父の子供ではないこと…しっくりきたんだよ。あ、そういうことだったのか、って思った。」


妃愛:「うん…」


悠妃:「親父も妃響兄も怖い人だけどさ、根は優しくて不器用な人なんだよ。」


妃愛:「うん…?」


悠妃:「同じでしょ。妃愛も。いや、違うか…。妃愛は目を逸らしたいんでしょ、この先もずっと。」



目を逸らしたい?


なんで、そう…思うのかな。



私は……




悠妃:「ま、行こう?俺が怒られるし、一人にはさせないから。妃愛のこと。」


妃愛:「意味…わかんないっ!意味…っわからないよっ!」




意味…っわからないよっ…

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