第13話

『妃愛が今まで苦しんできたの、俺は知ってる。母さんが亡くなって、朝妃兄も亡くなって…孤独だってことも。』



『今、聞くのは…辛いだろうけど……俺は…母さん、朝妃兄のことは触れないで…通れない道ではないと思ってる。』



『ごめんな。』



ともくん………


お母さんのことから触れるのね。


わかってはいたことだけど

お母さん、あっくんの死は……

私にとって辛いものでしかないんだ。


目を逸らすことしかできなくて

何も聞きたくない…話したくない…

って逃げ続けてきたんだ。


ともくんは、わかっているんだよね。




私が、死を受け入れた

フリをして

目を逸らしていることに。


生きていることが辛いから

生きる道ではなくて

治療拒否して死のうとしていることを。



ともくんは、何度も


自殺未遂みたいなもの目撃してるもんね。

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