第82話

寝静まって暫くしたら、呼吸が乱れて

汗びっしょりになって………


妹が………妃愛が死ぬんじゃないかと

思って怖くなった……



意識レベルが落ちていく中で…



うわ言のように、朝妃兄を呼んでいて…

生まれてきてごめん……



そう言って苦しそうにしてる妃愛に

何もしてあげることが出来なかった……


自分の手で、自分の首を締めようとして…

咄嗟に手を掴んだけど………




怖かった………今も朝妃兄の存在に囚われて

苦しんで、前に進むことができてない…妃愛が

消えてしまいそうで、とてつもなく怖かった…




どうしたら、笑ってくれる?



どうしたら、妃愛は前に進める?



どうしたら、苦しまなくなる……?




妃響兄が言った、離れられない理由……



こういうこと頻繁にあったのかな…って

予想がついてしまって離れることができない…




妃愛、ひとりじゃない。



もっと、頼って。



1人で苦しまないで………




中学生の頃から、周りを頼ることが

出来なかった妹の姿が浮かんで涙が出た。


もう、離れない………あの時、もう来るな

関わらないで!って強く言われて…


病気のことも性格もなんとなくわかってたのに

離れることを選んでしまった自分が憎い。



もう、絶対に離れることはしない。

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