愛妃 〜名前に託した想い〜 ✱中✱ <完結>

第58話

これは、私のお母さんとあっくん。

そしておばあちゃん、おじいちゃん

颯兄たちの姿だ。

なんとなく、お母さんとおばあちゃんの

関係が悪かったことは感じていたけど

私が見てきた２人は普通の母娘だった。

私がいたせいで、あっくんは荒れた。

お母さんは、ガンを患いながら離婚し

一人で育てようとしていた。

全部、全部私がこの世に生を受けたから。

私がいなかったら、誰も傷つくことは

なかったんだ。

私がいれば、誰かが傷つく。

私なんて、いらない。

私なんて、必要とされていない。

あおくんも、はるくんも翔馬も

私に縛られずに生きていける。

颯兄が海外で働くようになったのも

私のせいなんだ。罪悪感があるから…

ごめんなさい。

私が生まれてきてごめんなさい。

妃響兄も、あおくんも………みんな

生まれてきてよかったって言って

くれるけど、そんなわけないじゃない…

私の存在が誰かを苦しめてる。