第18話

年齢がたてば、俺と妃愛が離れる

時間がくる。時間の制限が近付いてる…



だから、妃愛のことは、年が近い翔馬に

護るように頼み込んだんだ。




翔馬は、碧空の弟であって仲野組の息子だ。



遊園地での、翔馬の行動に確信を覚えた。

翔馬に任せとけば大丈夫だって。



妃愛を護ってくれる。



何かあれば、叔父さんや碧空たちが動くという

確信があったから俺は安心できたんだ。



逆に、俺との約束で翔馬が苦しむことに

なっていたらその時は、妃響が翔馬に手を

差し伸べてやってほしい。



俺に、囚われなくていいって言って欲しい。




妃愛を泣かせるかもしれない、母さんとの約束を守ることができないかもしれない。




母さんが願ってた、俺達の世界に

引き込む可能性も無くはないと思ってる。



できるものなら、妃愛が大人になるまで

というか、一生………傍で成長は見守り

たかったけどね。



まだ、幼い………妃愛を危険な目に

合わすことは俺にはできなかった。



玖賀で一緒に暮らしたいとも考えたことは

ある。だけど、母さんは望まなかった。



玖賀に女は要らないの。って言って。


詳しい理由は教えてくれなかったけど

何となく察していたから強くは言わなかったけど。



俺は、自分が守り抜く覚悟が出来なかった。



結局、怖くて、妃愛の未来を閉ざして

しまうのが怖くて、妃愛の為を思って

手放す……ことに決めた。



妃響が、妃愛のことを護っていく覚悟が

出来るなら、妃愛を玖賀の家に連れて行って。




本当のことを、親父にも妃愛にも告げて。

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