第695話

『今のは見てなかったことにしてね。』



『それはできないよ。』



『お願い、また怒られちゃうし。』



『はぁ、まったく。』




どこかへ行こうとしたらしい。



まったく、怪我人でもあるのに無謀な


ことばかりする妹に笑いがこみ上げる。





『ともくん、ちょっとお外いきたいの。』



『外を!?風邪ひいたらどうする。』



『大丈夫だから!!連れてってよ。』



『看護師に聞いてからな。』



『うー、意地悪。』




案の定、ダメと言われてしまった。


そりゃ当然なことなのだけど。




拗ねている、妹。





『外いって何したかったんだよ?』



『お散歩。』



『アホか、認めるわけないだろ。』



『わかってるよー。じゃあ病院内の

お散歩は連れてってくれる?』



『まー、それならいいよ。』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る