第646話

『敦史、智哉。知りたくなかったよな。

ごめんな、言わなきゃ良かったな。』



『おれ、用があるから帰るな。』



そう言って、悲しい顔して言う兄貴。


兄貴を悲しませたかったわけじゃない。



ただ、なんて言っていいかわからない。




『ごめん、兄貴、おれ…。』



『わかってるからいい。帰るな。』



智哉が兄貴にそう言うが、兄貴は


荷物を持って帰ろうとしている。



重要なこと何も聞いてないんだよ、おれ。




教えてくれよ、もっと知りたいんだよ。




『それだけ言って逃げるの?そんなの

兄貴卑怯だって思わないの?なんで?』



『卑怯かもしれない。だけどお前たちに

受け入れる覚悟はないだろ?だからいいよ。

ここまで育ててきたのはおれ。だからいい。』




どうして?なんでって頭が混乱する。


なにか言いたいのに何も言えない。

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