第384話

テレビの前で見守る。



今日は甲子園の決勝。




兄と弟が戦い合っている。


もう、心臓はバクバクだ。




エース番号を背負って投げる拓望は


真剣な眼差しで。




この日のために頑張ってきたのを


感じさせる投球で。



両者、一歩も譲らない展開で。




回は延長を迎えた。



両スコアに0が9つ並ぶ。


両者無得点のまま延長を迎えたんだ。




10回裏のことだった。




マウンドには拓望の幼なじみの

幸哉くんが上がっている。



バッターボックスは拓望。

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