第299話

花が咲いたように笑う咲美愛の

本当の気持ちは、残酷で悲しくて。



そんな素振りみせなかったから

わたしはなにも、しらなかった。


ずっとそれで苦しんでいたの?




『わたしの出産はみんな反対。

だれも賛成なんてしてくれなかった。』



『パパといつもくるきょーちゃんが

1番反対していたの。信じられる?』




咲美愛、咲美愛。14歳なのに。



まだ14歳なのにそんなことを背負って

生きていかないといけないの?




どうして?なんで?なんでなの。





『七夕の日は私がうまれる予定だった日。

だから本来うまれる日だった七夕の日に

約束したんだよ。覚えててくれるかな。』



『今日は特別なんだ。わたしを産んで

死んじゃったお母さんに会えそうで。』




『そっか。』




なんて、言葉を返したらいいんだろう。


えみなは笑顔の裏で苦しんできた。



自分と引き換えに亡くなった母親の命。




わたしも娘がいるから、わかる。


出産って命がけでうむからこそ

大変なことなんだって。

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