第246話

『えみな』



どこからか、声が聞こえる。


えみなって呼ぶ声が聞こえる。


どこから?どこから呼んでるの?





1つのドアの前にたつ。


ドアノブを手にとる。



扉を開こうとした時だった。




『えみな、そっちじゃないよ。』



思わず手がとまる。


え?え?だれ?だれなの?




『えみな、後ろを振り返って。』




そっと、後ろを振り返る。


わたしそっくりの顔をした女性が

わたしを見つめている。


わたしとそっくりの顔をした

隣にはおばあちゃんがいる。





『えみな、気付いてくれたのね。』



『あなたはだれ?』



『わたしはあなたのお母さん』



『お母さん?』



『そう、お母さんよ。』

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