第45話

俺は咲美愛の部屋を出て

母さんのところへ向かう。


『母さん、大変!!大変!!』



『なによ、大変って』


母さんは料理していた手を止める。



小さい頃から、母さんって話しかけると

手を止めてみんなの話を聞いてくれた。


そんな優しい母さんが俺は

大好きなんだ。



『咲美がさ!!!!』


『咲美が何?何かあったの?』



昔から、咲美が怪我した時、泣いた時

母さんと父さんは過剰に反応する。


1人娘を溺愛しすぎだろって

そのたんびに俺は思うんだけど。



『咲美が恋煩いだって。母さん。

あのサッカー部の先輩に恋を

してるんだよ。咲美が。』


『そうなの?咲美が恋かぁ…

もうそんな年なんだねぇ。』



懐かしむような目をしてる母さん。

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