第37話
ーーーーー1993年3月14日ーーーーー
ホワイトデー。のんに花を
プレゼントした。なんだか
照れ臭い。
娘にいつかあげる日がくるのか
なんて妄想をしてみる。
母さんはまだ俺の元へくる。
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ーーーーー1993年3月16日ーーーーー
いい加減にしてくれよ。
母さんにそういった。
無理なんだよ。
やめてくれ。
泣いていた。母さんの涙
何年かぶりにみた。
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ーーーー1993年3月20日ーーーーー
懲りないな、母さんは。
無理なものは無理。
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ーーーー1993年3月24日ーーーーー
母さん、もう、やめてくれ
ごめんね、といって帰って行った
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ーーーーー1993年3月30日ーーーー
ほぼ毎日きていた母さんが
こない。こりたのかな。
それならそれでいいや。
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ーーーーー1993年3月31日ーーーー
母さんが破水していたことを知った。
少し申し訳なる。
まだ、うまれないだろう。
俺は結局なにを望んでいるんだ?
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ーーーー1993年4月1日ーーーーーーー
もう少しで父親になれる。
楽しみの反面不安だ。
ちゃんと、育てられるのか。
のんは母さんのことを
話したがっている。
だめなんだよ。俺には。
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ーーーーー1993年4月2日ーーーーーー
母さんが泣いているのをみた。
赤ちゃんに謝っていた。
ごめんね、ごめんね。
そう言って泣いていた。
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ーーーーー1993年4月3日ーーーーーー
俺は間違えていたのかもしれない。
今日、長男がうまれた。
モンチッチみたいだ。
可愛い、暖かい。
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