第30話

再びドアがバーンって開く。



『ちょっと、静かにしてよ。』



『あ、わりわり』



『で?聞いてきたの?』



『おう、女の子だって』



『え?もう一回』


『だから!女の子』



希美は信じられないようだ。


『ほんとに?冗談じゃないの?』



『嘘言ってどうするんだよ』



『そっか、女の子かぁ。お母さん

頑張ったんだねぇ。。よかったね。

ずっと女の子いいなぁって

言ってたもんね。よかったね。』



抱っこしている拓望の洋服に

涙がポタポタ溢れ落ちる。



『名前決めなきゃね』



裕貴が言う。



『もう決めたから。ここに戻って

くる時に思いついたんだ。』



希美がたずねる。


『なんて名前?』

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