第10話

『どうせ咲美のことだから俺が働く

病院は嫌だとか、甘えたくないとか

考えていた?じゃないのか?』


『美緒姉もそうだったしな。』


『咲美、俺の病院にこい』



きょうちゃん…ありがとう。

でもそれじゃダメなんだよ。



弱い咲美が姿を見せちゃう。



大好きなきょうちゃんに

弱い姿なんて見せたくない。



『全部受け止める。咲美こい。』



りゅうちゃん、りょうちゃんも口を開く。



『咲美、恭吾の病院で診てもらえ。

顔も広い。設備も整ってる。腕のいい

医者もいる。甘えたくないとかそんなの

思わなくていい。今、甘えなくて

どうするんだ?いま甘えなさい。』


『そうだぞ、知ってる人がいる病院の

ほうが俺たちも安心できる』



『甘えていいの?私は弱いもん』



『咲美、言ったろ?受け止めるって。

だから俺の病院にこい。先生には

俺から話しておくから。』



『うん、わかった。そうする。』



きょうちゃんは安心したように言う。



『これから辛いことが待ってる。

でもな、咲美は1人じゃないから。

俺たちがついてるから、安心しろ』

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