第4話

『よしくん、本当だよ。嘘じゃない』



私は泣きたい気持ちをこらえ

冷静にみんなに言う。



『そうか……。本当なのか…。』


よしくんが天井を見上げる。



よしくんには私が生まれてから

ずっと可愛がってきてもらった。


息子4人の父親であるよしくん。

私を娘のように可愛がってくれた。


そのよしくんの目に涙が浮かんでる。




私も泣くのを堪える。




(笑いなさい、咲美愛、笑いなさい)




自分を奮い立たせる。負けるか。

泣いちゃダメなんだ。覚悟みせろよ。



ずっと黙っていた聞いていた

母の2番目の兄、遼平くんが口を開く。



『言いたいことは、わかった。

でもな、隠すってことは辛いぞ。

それにこれから長い戦いが待ってる。

苦しいぞ?辛いぞ?それでも

黙ってろって言うのか?』



ふぅーっとりょうくんは息を吐き

私を見つめ言葉を続ける。



『俺は反対だ。咲美愛はこれまでも

苦しんできた。近くてみてきたから

俺は知ってる。拓望たちや裕貴くん

希美ちゃん達は隠されて喜ぶか?』



俺は認めないぞ、と言い張る。



『咲美愛は苦しまなくていい。

家族の支えは必要なんだぞ。

家族に甘えなさい。』




それじゃダメなの。



弱い自分が大嫌いなの。


だから、甘えないよ、私は。



それをわかってほしいの。

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