第2話

10年前のある日のことだった。

当時中学2年生になったばかりの

彼女が集合をかけたのだ。


彼女の母方の祖父母の家に

集まった親戚たちに彼女は言った。



『おばあちゃん、私を引き取ってくれない?』



『実はね……………なの』



『おばあちゃんは知ってるでしょ

私は誰にも知られたくないの』



驚くおじいちゃんや叔母夫妻

叔父夫妻に彼女は言う。



『私はよその子だから…』



『よその子であるわけないでしょ』

そう言って泣くおばあちゃん。



『お母さんが勝手に産んだ子

そうでしょ?違う?』


『もとから望まれてなんてないの』



『だってお父さんは私の存在

知らないじゃない。いらないの。』


『私はみにくいあひるの子よ』



彼女は冷静に言う。



彼女は二重人格に思えるが

実はそうではない。


弱い自分を隠すために作られた

もう1人の自分なのである。



それは『……………………』を

家族の誰にも知られないために。


彼女は自分を繕うのだ。




彼女が家族を思うが故である。


自分を繕い偽善者へとなる。

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