第88話

そして、事件から1週間後………



助からないかもしれない……

と、言われていた妃響は

危険な状態を脱し、意識が戻った。



だが、俺は―――………


素直に、「おかえり」や「良かった」

って、言えず…妃響を傷付けた。



――― ―― ――― ―― ―― ――― ――



あの日、俺は―――………


意識が戻って、目を覚ました妃響に…



「そんなんで、玖賀を継げるのか?」


「警戒が薄かったんじゃないのか?」


「また、迷惑かけやがって………

ほんとに、妃響はどうしようもない…」



妃響の反応がないことをいいことに

俺の口は止まらなかった。



自分の不安な気持ちを隠し

妃響に落ち度があったのだと……


責め立てることを、言ってしまった。




「もう、いいわ。」



そう言われ、ハッとした時には

何もかも、全て遅かったんだ………。

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