第54話

「名前。妃響の名前には他にも候補があったんだよ。」



3つ、選択肢があった。



「なに、妃響以外に何があったの?」



興味を示してきた、妃響。


こういう話もできるとは思ってなかったから、俺は嬉しくてたまらない。



龍妃りゅうき潤妃じゅんき、妃響だった。」


「龍妃か潤妃が良かったんだけど!」



俺も、産まれてくるまでは

響きがカッコイイ、" 龍妃 " か " 潤妃 "にしようと思っていた。


変えたんだよな、名前。



「妃響の顔みて、梨絵子似だと!

可愛い系の顔立ちになるのに、龍妃や

潤妃って名前は違うだろう、と。

それで、俺が好きだった音楽から名前をとって、妃響ひびきにしたんだ。」


「くぅ〜……ここで、母さん似が出てくるとは………。呪うぞ。」


「悪くはねえだろうよ。

梨絵子も、可愛い〜って言ってたし。」


「良くねえし!良くねえっ!」



相当、不服らしい妃響。


子供のように拗ねていやがる。

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