第44話

" 「朝妃とひめちゃんに看取られて亡くなったわ。」



そうか。梨絵子は1人で逝かずに

血を分けた家族に看取られながら

死ぬ事ができたのか。


良かった。1人で孤独に死んだのだと

思ってきたから、良かった。



死に目にあえなかったのは…。


悔やまれることだけど。

梨絵子は見守られながら逝くことが

できて、良かったと思っている。



お義母さんの顔が晴れなかったのは

俺の気がかりになったが。



その日は、梨絵子の亡くなった日の

ことを聞いて帰った。



あとから、お義母さんの

表情が気になって。気になって。

脳裏から離れなくなった。




何か、あったのか―――…?

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