第10話

「妃愛が熱出した!40度近い!

熱性痙攣起こして、救急搬送された。

朝妃、迎えいくから病院行くぞ!」



姪っ子の一大事でもあるから……


大輔さんは落ち着きがなかった。


生後半年にも満たない、妹。

心臓疾患を抱えて生まれてきた。

ちょっとした、風邪や、熱が、発作を誘発させることもあるから、慎重に接していた……。



焦る、気持ちを抑え―――……


深夜寝静まっている玖賀の家を

音を立てずに、出る。



途中で、親父にあったけど……


「妹が緊急事態……」なんて言える訳もなく。掴まれた腕を振り払い―――……



大輔さんとの待ち合わせ場所に急いだ。




「妃愛、無事でいてくれ………。」



そう祈って。


命取りになるようなことは……

なってないと、いいな…なんて思いながら、焦る気持ちを抑え、走った。




その姿を――……妃響に見られていた。

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