第8話

大輔さんとの戦い……


どっちが、妃愛に懐いてもらえるか。

お兄ちゃんは負けられないんだ―――



「うわ。また、やってるし。

飽きないねえ、父さんも、朝妃も。」


「ホントだ。またやってる。」



遼大と碧空の二人だ。


今日は郁希は不在らしい。

なんか、学校でそう言えば呼び出しされてたな。

妃響も呼び出しされてたな、確か。



「大輔さん、ムカつく……。」


「父さん相手に意地張ってどうすんの。

なあ?ひめちゃん。おじちゃんと

お兄ちゃんは醜い争いしてますよー。」



遼大に奪われた、妃愛。



「はう〜…可愛い。可愛いねえ。」



実をいうと、妃愛は…

遼大に一番懐いている。何で?


お兄ちゃんより、従兄弟がいいって?



悔しい。悔しすぎる。



負けてられねえ!


妃愛に懐いてもらえるお兄ちゃんに

俺はなるんだ!絶対に!



その為に、汗の臭いとか。

着てる服とか。肌触りとか。


全部、気を付けて抱っこしてる。

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