第84話
妃愛は――今が幸せなら……
過去がどうでもいい。
無かったことには――できない性格。
だからこそ、考え込んでしまい……
暗く深い闇に足を進めてしまう。
陽のあたる場所へ、戻ってこれない。
父:「朝妃に会いたいか?」
親父が朝妃に会いたいか?
妃愛に問い掛けている。
妃愛は……なんて答えるのか。
以前までなら、「会いたい、あっくんに会いたい。」って即答していた。
今は……言う事はない。
妃愛:「…………最近……は、」
最近は、と言って黙る妃愛。
妃愛:「前ほど……思わなくなった。」
前ほど思わなく、なった?
親父と俺。妃愛の言葉の意味に
どんな理由が含まれているか
わからなくて、顔を見合わせる。
妃愛のことで親父と悩んで
話したりすること……増えたなあ。
なんて、関係ないことを思う。
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