第44話

父:「まあた、やってんのか…煌妃と悠妃は。飽きないなあ…」


妃愛:「仕方ないよ。二人とも、ひいくんが大好きなんだもん。」


父:「甘えられなかったからなあ…にしてもなあ、毎度飽きないのか。」


妃愛:「飽きないでしょ。ひいくんの取り合いは続くよ、きっと。」



ひいくんを巡る争いは

はじまった、ばかり。



二人の行動を観察することも

はじまったばかり。



今日も玖賀家は


ひいくんを巡って

二人の争いが続く。




―――「こうにいっ!ふざけんなっ!」



―――「いつもいつも、二人でデートしてたのかっ!ずるい!譲れ!」



―――「弟の特権だっ!」




―――「ひいにいっ、抱っこ。」


「あーっ!ずるい!僕も僕も抱っこ。」


「順番な?先に悠妃が来たから、悠妃な?」



―――昔から変わらない


玖賀の家族のカタチが

そこには、存在する。



今と昔も―――変わらないカタチが。

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