第61話

「犠牲にならないようにッッ……

船で会った日から……精一杯可愛がってきた!大切に思ってきた!

そんなにっ、苦しいなら……親権捨てて俺の娘にするっ!俺が育てる!」



「はあっ!?」




親権を捨てろ……だと?



妃愛の親権を放棄して、妃響に譲れ……だと?何を言ってる。

妃響は自分で何を言ってるのか理解してんのか?妹を娘にするって……おまえは…………なにを……





「今の親父は父親じゃねえ。

抜け殻のセミ以下だ。娘のことも信じてやれねえで悲観ばっかして。

どんな状態でも、娘じゃねえのかよ!

意識がないと娘じゃねえのか!?」




意識が無くても俺の娘だ。




俺の大切な娘。誰にも渡さない……



例え息子だとしても、触れさせたくないし、渡したくない……





「妃愛を信じようよ……なあ。

俺たちの家族だろっ?妹だろ?結妃と同じ思いこれ以上させんなよ!」



「ッッ…………」





これ以上の辛い思いは……させられない。





させてはいけない。









妃愛?






こんなパパでも許してくれるか?








パパって思ってくれますか?

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