第51話
現実は、残酷だった。
「残念ですが、心拍が確認できません。
また、来週来てください。」
エコーの映像に、
映し出された、豆粒の赤ちゃん。
形は確認出来たけど……
動いてなかった。
何度、何度見ても……動いてなかった。
妊娠は、3回目。
2回とも、初回の健診で、確認できた。
今回は、確認できなかった。
意味するのは、ひとつ。
既に、育ってないっていうこと。
「大丈夫だよ、梨絵ちゃん。
きっと、来週には…確認できるよ。」
"大丈夫、大丈夫 "
って、いう史哉くんの言う言葉が、
頭に入ってこなくて、
右から、左へと流されていった。
――――――
その夜―――……。
「うわあああああッッ……。」
私の叫び声を聞いた、
史哉くんがトイレへと来てくれた。
自然流産……。
赤ちゃんは、流れ出てきてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます