第47話

「梨絵ちゃん。」


「………史哉くん……。」



手術の際に、出血が多かった私は、


日帰り手術の予定だったけど

史哉くんが、入院させてほしいと

頼み込んで、入院となった。



大学は?仕事は?って気になったけど、

2人目の子供を、失って……

不安だった私は、史哉くんに甘えた。



「付き添うから」


って、宣言どおり

退院するまで、ずっと一緒に居てくれた。



史哉くんは、私を確かめるように

腕の中に、私を閉じ込めた。


史哉くんの腕の中は、優しくて。

温かくて。心地よくて。



2人で、抱き合いながら……


これ以上、涙は出ないよ……

って、思うほど泣いたんだ。



もう、離れたくないって思った。



史哉くんナシの人生は、

私は……生きている意味がない。




離れ離れになるくらいなら、

死んでしまおう……って、決めたんだ。

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