ダイナ死にする香和さん

バナナ様は神様

第1話 バナナの皮

「おはよう」


「おはようございます」


何気もない挨拶で僕たちは朝、出くわす。


ついでに黒猫が車道を通り過ぎる


「今日のお天気は大丈夫ですね」


「そうですね」


晴天の日の何気もない固い話。

そして、これが僕たちの本当に仲が良いのか?と疑われる理由。


僕もそう思ってなんていない。


香和(かわ)さんはにっこりと尋ねてくる。


「帝那くんも猫ちゃん好きだよね」


香和さんな話を聞いていなかった僕はうんうんと1人で頷いていると、香和さんが肩をトントンとしてくれた。


だって、僕たちの間には危険があるからだ。


「帝那(だいな)くん、足下にバナナの皮が落ちてるよ?」


「え?」


僕はバナナの皮で滑り、体勢が崩れる。


普通の人なら絶対体勢までは崩れないってぇー!


何しても無駄なことは知っているので、無低力で倒れゆく僕。


「今日はバナナの皮ですか」


呑気なことをいう香和さん。


僕の頭が車道に飛び出て、人類の歴史の中で開発された自動車というものがスレスレで通り過ぎる。


「帝那くん、大丈夫ですか?」


香和さんは僕に手を差し伸べてきた。


「ありがどう。香和さん」


遠慮なく手を掴み、起き上がろうとすると、香和さんが思いっきり僕を引っ張ると、白い金属に僕の頭が直撃した。


「香和さんが人形で、僕の頭、て栗だったけ?」


相変わらず、死に追いやられると意味不明なことをいう僕だが、更に意味不明なことをいう人がいる。


「とりあえず、警察呼びますか?」


なぜか香和さんは目を逸らしながら、自分やっていないですよ?アピールをしながら後ろで手を組んでいた。


僕は遅れて反応する。


「なんで!?」


こうして、僕らの日々は続くのであった。

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