第46話

なん……は?



「嘘って?」



ゴミを渡しただけで、出雲が何に怒ってるのかよく分からず聞き返す。



「…わたしたちクラスも違うじゃん。なのに、なんであんな嘘ついたのかって聞いてんの!」



語気の強い口調で聞かれ、俺は首を傾げた。



「なんでって…。そうした方がスムーズだし、角が立たないだろ」



逆にそれ以外あんまり思いつかなかったし。



俺があそこで出雲を庇ったら仲裁してるみたいになって、さらに雰囲気悪くしそうじゃん。



「空気読んだつもりだったんだけど、」


「っ、そうじゃなくて!」



俺なりの気遣いのつもりだったことを説明しようとすると、それは出雲に遮られた。



「…そういうことじゃなくて…、」



二度否定の言葉を口にした出雲は、険しい顔を浮かべていて。



「友達でもないし…。てか、わたしこの前話しかけるなって言ったじゃん。」


「……」


「関係ないんだから、放っておけばいいでしょ」

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