第88話

そして嫌われてることも自覚しているらしい男は、嫌われている理由すらもちゃんとわかってるらしく。




「まあ、規則破ってんのは俺らなのかもしんねえけど、教師って特に頭ごなしだろ?」



まあ、そう言われてみると…。



「そういう人多いかもね」



「だろ? こういう見た目の奴=うぜえ奴ってなんのか、勝手に嫌ってくるから嫌な顔されるし、そうされるとこっちも好意的になれねえっつうか…なんか分かんだろ?」




勝手に嫌う…。

それはよく分かる話だった。



その話を聞いて少々わたしは気まずくなる。



わたしもこの間まで藍達に勝手に嫌悪感を抱いていたから…。



自分を嫌う相手を好きになるのは難しく。



それはわたしにもよく分かるので頷く。



「だからって好かれてえわけでもねえし、それは別にいいんだけどよ」



それはそうだろう…。



嫌われてても別に興味なんか無いんだろうし、そもそも本当に嫌われたくないなら好かれる努力をしようとするわけで…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る