第82話

見た限り出来ないこともなさそうな内容なので、頷く。



「教えるのは、いいけど…」



そう言うと、「なら頼むわ」と息吹藍がもう一度店の前の地面にしゃがみこむ。



教えるって…ここで?



けれどまあ、問題数も多くないからそんなには時間がかからなさそうだと思い、渋々その横に同じようにカバンを置いて座りこむ。





「あのさ…」



「あ?」



「それ、わたしが解くだけじゃ意味無いからね?」



「…は?」



「だから、息吹くんがちゃんと自分で理解して解かないとやってる意味が…」



ないから、と言おうとした言葉を呆れたように遮られる。




「分かってる…。だからお前に教えてくれって頼んでんだろ?」




どんだけ馬鹿にしてんだよと呟く男は、解かせるだけじゃなくちゃんと理解もしようとしているらしい。

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