第58話

「だからさ光は清楚って感じがするって」



清楚?


わたしが?



話を聞いてなかった間、薫くんはそう言っていたらしく。



「この制服着てるとさらにそんな感じに見える。」



清楚で上品なイメージの湧く南高の制服。



それを着ているとさらに清楚なイメージに見えるってこと?



だから似合ってるって…。



「清楚って…。わたしそうでもないよ?意外と腹黒いこと考えてるし」



「はは、何?そうなの?」



「そうだよ、多分あんまり性格も良くないよ?」



軽く笑いながら言うと冗談と受け取ったのか、薫くんもそれに笑う。



「光って、見た目によらずハッキリしてるところあるよな」



見た目によらずって、それいいの?



というか、薫くんの言うハッキリしてるところってのがどこかいまいち分からず。



「それ褒めてる?」



ふざけて疑うように聞けば薫くんはそれにも笑いながら頷いて。

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