第43話

「23時くらいにいつもここ通るだろ?」



確かに通る。



でもまさか知っているとは…。

ていうか、わたしだと気付いているとは思わなかった。



驚きながら言葉を返す。



「はい。塾の帰りで…」



「塾?毎日?」



「毎日ってわけでも…。週に4、5回とか」



「毎日じゃねえかよ」



毎日なの?違うんだけど…。



あからさまに嫌そうな顔を見せる息吹藍にとっては週に4、5回はどうやら毎日という認識らしく。



「ゆーとーせーってやつな」



妙に納得したように呟かれる。



別に、優等生ってわけじゃ…。



「通ってるってだけで、そういうことでも…」



「んでも、南高ナンコウの制服着てんじゃねえかよ」

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