第4話

「だったらピアノの練習したらどうなの?コンクールもあるのに、光ちっとも練習してないじゃない」




矢継ぎ早に色々聞いてくる母親は、どうやら余程わたしに文句が言いたいらしい。




「ちっともって…。してるよ、お母さんが聞いてないだけでしょ?」




だいたいなんで塾の話からピアノの話変わってんのよ。



リモコンを取られて同じように少しイライラしていると、母親がテレビの電源を消す。




「してないわよ、絶対してない。一昨日だって、塾の前に聞いたら今日は疲れてるからとかなんとか言い訳してたじゃない」




ため息でも吐きそうな勢いで、呆れたように言う。



そうだっけ?

でも、確かに一昨日はしてないような…。

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