ある日知らないお姉さんに婚姻届を渡されたと思ったら一枚だけじゃない?!
ゆなすけ
知らないお姉さんと
4月になり私こと山根火乃香は高校2年生になった。一年生の頃は初めての高校生活に馴染むので精一杯で余裕がなかったけど今年からは余裕もできて可愛くてかっこいい先輩として頑張りたいと思う。
「火乃香!あんた寝坊してるわよ!」
そんな声が聞こえて時計を見ると8時になっていた。
「8時になっていた?嘘、待って!変な回想してる場合じゃなかったー!」
私は急いで制服に着替えてリビングにいる母と妹に挨拶して家を飛び出した。
3月以来の全力疾走したせいで息を切らしながらなんとか駅に着くと、
「火乃香遅いよ!私まで遅刻しちゃうじゃん」
と親友とも呼べる友人の音山伊吹に怒られた。
「ごめん!今日から2年生だと思うと楽しみで
寝れなくてさ」
伊吹はため息をつきながら
「そんなことだとは思ったけど少しは大人になってよね」
と私のほっぺをつついてきた。
「もうやめてよー、私が悪かったから電車乗ろ
うよ」
そのまま伊吹と話しながら駅の改札を通ろうとすると見知らぬ女の人に後ろから声をかけられ
「火乃香ちゃんだよね?」
私はびっくりして何も考えずに
「はい火乃香です!」
と元気よく返事をしてしまった。するとその女の人は鞄から大きめな紙を取り出して私に渡してきた。
「これにサインして欲しいんだけれど」
私はその紙に目を通すと、婚姻届と書いてあった、なんなら紙は一枚だけじゃなくて4枚もあり混乱していると伊吹が
「お姉さん誰ですか?火乃香の知り合い?」
と驚いて固まっている私の代わりに女の人に話を始めてくれていた
「ごめんなさい、私やっと火乃香ちゃんを見つ
けられてテンションが上がってしまったわ、
私は神楽坂夕陽、火乃香ちゃんのファンよ!」
とよくわからないことをお姉さんが言うと伊吹は私を庇うようにして
「お姉さん大丈夫ですか?」
と真顔で聞いていた
私もよくわからないまま女の人の顔を見てみると、とても綺麗な20代前半くらいの人でなぜ私のファンなんて言っているのかわからなくて余計に混乱してしまった。すると女の人は
「ごめんなさい。少し冷静になったわ、急にごめんなさい、きちんと説明をするべきよね、今日の5時から空いているかしら?」
急に真面目な口調になったお姉さんに驚いていると
「どうする、火乃香?」
と伊吹に聞かれたので私は
「伊吹が一緒にきてくれるなら行こうかな」
と返事をし、伊吹が了承してくれたのでお姉さんとこの駅で5時に待ち合わせをすることになった。
その後の登校中伊吹に
「知らない人に声をかけられても簡単に返事をしちゃダメ!」
と怒られてしまった。
学校に着くと昇降口にクラス発表されていた
「伊吹今年も同じクラスだね!」
私は今年も伊吹と同じクラスになれた
「今年もよろしくな、火乃香!」
そして伊吹と同じ2組になった私は遅刻ギリギリでクラスに到着した。
そのあとは担任発表と軽いオリエンテーションをして下校になった。
「あの人との約束までまだ3時間あるね」
と伊吹に言うと
「久々にボウリングでも行く?」
と言われたのでボウリングで暇を潰してから空いに行くことにした。
ちなみにボウリングの結果は私が82点で伊吹が140点で私の負け。今まで伊吹に勝負で勝てたことが一度もないから今日こそはと思ったけど普通に負けた。
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