第68話

「えっ…?」



選ぶ?今?



「早く決めないと彼は行っちゃうよ?」


どこまでも優しい人…。



「ごめん…ごめんなさいっ」



私は振り返り走った。



もうガクの背中は遠くにある。



泣きながら走った。



お願いっ!



お願いっ、待って!



「ガクーッ!!!


ガクーッ!!!


待って!待ってよ!ガクッ!」



そう叫んだ。



すると、ガクは足を止めた。



行かなきゃ!



走らなきゃ!



「ガクッ!!!」



私は砂に足を取られながらも走った。



そして、ガクに追いついた。

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